第2話「覚書」



もくじ

 

そう遠くない近未来。

旧日本は核保有国となり国軍を保有していた。

しかし、それはすべて国際金融資本家に仕組まれ誘導されたものであり、

漢中人民共和国との戦争の切っ掛けとなった。

 

戦後、敗戦国・日本は解体された際、あらゆるものを外国勢に奪われる事となった。

まさしく強奪といった有様だ。

戦闘機、爆撃機、戦艦、揚陸艦巡洋艦、潜水艦などの空海兵器。

その製造技術、そしてその技術者まで。

そして建設機械、建設技術。

工業機械などすべて没収され、もぬけの殻となってしまった工場も少なくない。

そして巨額の賠償金、これが日本解体のとどめとなった。

 

 

突然日本領土内に国境が引かれ、ホッカイが独立宣言をする。

続いてオワリ、そしてフクオカが独立。

その後、キョウトが独立宣言をした。

沖縄も「リュウキュウ国」の名で独立宣言をしたが、漢中人民共和国はこれを認めず、

「沖縄は我が漢中の領土である」と主張している。

すでに尖閣諸島那覇には漢中解放軍の基地があり、実行支配を行っている。

最後にエドが独立国家となった。

そして旧日本国の所有していた資産の権利関係などは基本的にエドへ引き継がれる事となる。

最初にホッカイが独立宣言をしてからここまで、わずか24時間の出来事で、

ほとんどの一般国民にとっては寝耳に水であった。

 

キョウト福井県は、旧日本国の核兵器製造基地だったため日本解体後も大量の核が残されていた。

しかし、独立国家となったキョウトが核を保有し続ける事を国際社会は認めなかった。

そこで、アジア安全保障協力機構会議で

「キョウトがNPT(核拡散防止条約)に加盟すれば、協定署名国が安全保障を提供する」という内容の覚書(NONN京都覚書)に漢中人民共和国、ロシア、エドの3国が署名したのである。

それを受けてキョウト初代大統領・村田洋平も覚書に署名をした。

これにより、キョウトは非核保有国となったのであった。

 

to be continued...

 

 

第1話「分断」

 

第3話「復興」